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足助病院コラム

Asuke Hospital column

2020/07/02 

Vol.118  「三平方の定理」

執筆 院長 小林真哉

緊急事態宣言も解除され、新しい生活様式に留意しながらの学校生活もいよいよはじまり、巷で子供達を見ることが出来る日常が戻りつつあります。
学生服を見るのも久しぶりのような気がします。
そんな中、懐かしい数学の用語をニュースで目にしました。

―「三平方の定理」入試に出ません…休校長期化で都教委が出題範囲見直しー

どうやら、新型コロナウイルスで学校の休校が長期化したため、来年の東京都立高入試の出題範囲の中で中学3年生の学習内容のうち2~3か月程度の範囲を除外した結果、あの三平方の定理が除かれたということでした。
少々おさらいをしますと、三平方の定理とは、直角三角形の三辺の長さに関して斜辺の2乗は他の2辺の2乗の和に等しくなるという定理です。
すなわち三角形の三辺をa,b,cとし、斜辺がcとするとc*2=a*2+b*2となるというもので、ピタゴラスの定理とも呼ばれている超有名な数式です。
今から約40年前の高校受験を懐かしく思い出します、当時の愛知県高校入試は数学で図形の比率が高い特徴があり、当時の受験生にとって三平方の定理の習熟は必須のものだったと思います。
多分、現在の数学教育でもかなり重要な役割を果たしているのではないのか思いますが、これどうなるのでしょうか?
授業では取り上げるのでしょうが受験に関わらないとなると自然と習熟度が下がります。
ひょっとして5年後の大学生では〝ピタゴラスの定理〟よりNHKの番組の〝ピタゴラスイッチ〟のほうの認知度が高いのかもしれません。
医療の世界でも若い研修医と日々、臨床の現場で話をしていると自分が研修医だった約30年前は遥か遠いノスタルジアの時代です。
紙のカルテ・レントゲンフイルム等の医療機器は勿論のこと、呼び出しはポケットベル、患者さんへの説明がムンテラ(Mund Therapieの略:口で治すの意味)からインフォームドコンセントと枚挙にいとまがありませんね。

でもわかりますね、今の時代の便利さが。
昔を知っているからこそ・・・
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