MENU
green

足助病院コラム

Asuke Hospital column

2020/10/05 

Vol.142  「アユ釣りとソーシャルディスタンス」

執筆 院長 小林真哉

足助病院に赴任して、様々な機会にアユ釣りのお誘いがありましたが、現状は眺めて様々な場所でその美味い釣果をいただく日々です。
当地域は巴川と足助川の合流地に三州街道の宿場として栄え、古くから鮎釣りも盛んな地であったようです。
鮎解禁のシーズンになりますと多くの釣人が訪れ、私の患者さん達も真っ黒に日焼けされます。
今年も6月6日に解禁されましたが、いくつかの大会や巴川鮎まつり等は新型肺炎の影響で中止になりました。
当院の前の巴川でも9月30日までは友釣り専用区となっていて猛暑の中でも釣人を多く見かけました。
そのような中でもウイズコロナで新しい生活様式を守りながら楽しんでいる方々を見るとほっとします。

ある時、病院前の巴川でアユ釣りをしている方々を見ていてふと思いました。
『釣り人の皆さんは、良い感じの距離感で楽しんでいるな・・・』と
そこで、アユ釣りをする職員に
『皆さん、見事にソーシャルディスタンスがたもたれているね』と伝えたところ
『もともとアユ釣りはなわばりを意識した友釣りなのと、竿の長さが約9メートルで竿どうしがあたらないように距離をとっているのですよ。また足助の竿は有名ですよと』と教えてもらいました。
今更ながら、〝友釣りは野アユの縄張りを守る習性を利用した釣りの技巧な訳で適度な距離感が必要で、もともとソーシャルディスタンスが保たれていることと足助の竿が有名なこと〟と勉強になりました。
竿の歴史も古く、明冶中期に三河足助町落合の弓の名手、鈴木庄五郎さんが矢と趣味の鮎竿も作ったのが始まりだとされていて「足助竿」「三河竿」は高級品なのですね。
あと少しで11月に入ります。
例年と違い香嵐渓のライトアップやいくつかのイベントが今年は中止となるようですが、お猿さん・刀削麺はどうなるのでしょうか?
2020年は今から90年前の昭和5年、香積寺の「香」、巴川をわたる爽涼とした嵐気の「嵐」から名付けられた“香嵐渓”の命名90周年にあたる記念すべき年です。
今年は、少し静かな香嵐渓を散策しながら、今年70周年を迎える足助病院の90周年100周年に向けたビジョンを育もうと想うコラムとなりました。
コラム一覧へ戻る