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足助病院コラム

Asuke Hospital column

2019/05/27 

Vol.15  「砂防の専門家  ―梅雨に想う― 」

執筆 院長 小林真哉

いよいよ日本列島も梅雨の季節となりました。
5月の14日-16日にかけて沖縄・奄美地方が梅雨入りしました。平年よりは若干遅いのですが昨年よりは二週間ほど早いため実感的には早いように感じます。
そして、屋久島では5月17日午後6時から24時間雨量が400ミリを超え(平年の5月の1か月分が441ミリなので1日で1か月分降ったことになります。)
当然そのような豪雨になれば地面での雨の吸収は限界を迎えあふれ出します。そして、水分を多く含んだ土砂が流れ出す恐ろしい土砂災害が発生することがあります。
実際、登山の方らが314人孤立されました。迅速な行政の対応および個々の準備のおかげだとおもわれますが人命には影響なく良かったです。

僕自身昨年より山登りを始めました。形から入るタイプですので友人からいろいろ揶揄されています。(しかしながら、昨年の冬の御在所岳:勿論ロープウエイではありますが防寒の大切さを・近隣の600m規模の30分-120分程度の登山?トレッキングではストック等フル装備および飲料水・携帯食たっぷりで挑みました。結果、僕にとってはどれも必要でした。屋久島はいつの日か行きたいところです。今回の314人の方々も準備は周到だったのではないでしょうか)

しかしながら、写真等で見る限りではかなりの規模での土砂災害で自然の景観破壊等が危惧されます。
そのような土砂災害の専門家が全国にはみえます。しかしながら、その数は少なくかつ減少傾向にあるとの報道を耳にしたことがあります。おそらく、実際に被災があったところでの調査・作業だけでも膨大な時間・労力が必要なことでしょう。
そしてこのような活動は所謂、公助にあたります。足助病院では地域防災にも興味を持ち、行政(公助)・地域住民(共助)・足助病院(自助)三位一体となった活動を模索しています。
東海地方の昨年の梅雨入りは6月の21日頃でしたので、今年は2週間ほど早まり6月の7日前後かなとも勘案します。このコラムが載る頃は5月の下旬ですので、皆さん備えをお願いします。
まず身近なところは、雨どいの掃除・側溝の掃除・雨具の確認・裏山の確認・避難所の確認・3日ほどの食料品の確認・通勤通学路の確認等々ですね。
それととても大切なことが情報の収集です。今の時代スマホでリアルタイムの雨の状況がわかります。私自身も通り雨はスマホで確認して通り過ぎるのを待ってから、車外に出たりするようにしています。(まずもって正確です。技術の進歩は目を見張るものがあります。)

そこで、2つほど話題を・・・一つ目は、防災科学技術研究所と日本気象協会の開発に着手している記録的な豪雨の際に住民の避難を促すため、災害が起きる危険性を具体的に予測するシステムです。過去の土砂崩れや洪水などと降水量を関連づけ、現時点の危険度を示し、2022年度までに自治体の防災関係者などに情報提供開始を目指すそうです。(日本経済新聞 5/4 電子版より)今よりも更にきめ細やかな情報が発信されるようです。
二つ目は、早稲田大学と東京大学が東京都23区で発生する都市浸水をリアルタイムで予測するシステムを開発し、社会実装を可能としたというニュースです。いわゆる都市型のゲリラ豪雨を対象にしたものですね。(早稲田大学HPより)

科学は進歩しています、そして情報が発信されています。その情報の受け手も日々アンテナをはり享受しなくてはと思う今日この頃です。そして、自然の脅威に果敢に挑戦していく姿には刺激をうけます。
皆さんも、国土交通省のHPの砂防を覗いてみてください。そしてその後お住まいの自治体のHPから、自宅の土砂災害ハザードマップのご確認を是非お願いします。

・・・さて 豊田市のHPによると 足助病院 院長室は・・・おっと・・・(雨の降りしきる早朝の院長室にて)

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