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足助病院コラム

Asuke Hospital column

2021/02/18 

Vol.177  「非出水期」

執筆 院長 小林真哉

非出水期、あまり耳慣れない言葉でしょうか。
川が増水しない期間(出水期以外の期間)をいいます。
逆に出水期とは6月1日~10月31日までの5ヶ月 間で梅雨や台風により河川が増水しやすい時期を指し、河川巡視、堤防の点検などの管理をし、原則として河川工事を行いません。出水期以外の11月1日~翌年5月31日までの7ヶ月間は非出水期と呼ばれ、河川工事を実施する期間となります。雪が多い地方では雪融けの多い3~5月が出水期になります。

「院長、またお得意の気象・防災ネタですか?」と思われた方は私のコラムの愛読者ですね。
でも、今日は違います。橋のお話です。

当院の前の巴川には病院正面の足助記念橋、東の足助大橋、西の足助新橋が約3-500mおきにあり、とても利便が良く助かります。
豊田市の〝人と自然と産業が響きあう一番美しいまち創り〟の中に「山並み景観を守る」「街並みを活かす」「足助らしさを育む」足助景観計画があります。8つのゾーン(松栄町国道筋・香嵐渓入口・町並み・陣屋寺町・文教・親王町・飯盛山・山並み)それぞれの取り組みがされています。足助記念橋は足助地区の入り口で松栄町国道筋ゾーンに含まれる構造物の一つです。
そして今、足助記念橋の橋りょう耐震補強工事が行われています。
 
趣味の一つにN-ゲージ(1/150モデルの鉄道ジオラマ)作りがある小生にとっては、重機が入る工事現場は大好物の一つです。
しかも、流れている川の橋脚を補強するなんて興味がそそられます。
病院前の道路から車が通れる道が巴川に下り、工事用道路及び施工ヤードが構築されたと思ったら、今は川幅が1/3程に狭められています。そして、橋の脚部分は周りを固められて完全な無水(ドライ)状態になっています。これで、地上にいる条件でコンクリート等を使用できるわけです。模型の世界では何とかできそうですが、実際に流れている川で行う土木・建築も熟慮・計画がありロマンがある仕事だなーと思います。

コロナ禍で外に目を向けることが少なくなっている昨今ですが、三密を避けての散歩にて運動・気分転換を図ることは推奨されます。ふと、何事も粛々と足元を固めてことにあたることが改めて大切だ、と想いを巡らす散歩のひとときとなりました。
   

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