MENU
green

足助病院コラム

Asuke Hospital column

2021/02/22 

Vol.178  「Olympicの匂い」

執筆 院長 小林真哉

外気温はまだ氷点下の2月某日、通勤途中のカーラジオで2021年東京五輪の話題が流れていました。
陸上選手の山県亮太さんが、新国立競技場のピッチに立った時、『オリンピックの匂いを感じた』という内容でした。
山県亮太12年ロンドン五輪では100メートル準決勝進出し、16年リオ五輪でも100メートル準決勝進出して念願の400リレー銀メダルを獲得したイケメンの陸上選手です。世界屈指のスタートの反応の速さを活かして、10秒00を2度マークしています。
勿論、日本にはサニブラウン・アブデルハキーム選手(9秒97)、小池祐貴(9秒98、桐生祥秀(9秒98)の3選手が既に10秒の壁を突破して出場枠3人の有力候補である訳ですが、なんとも日本陣営は層が厚く頼もしいです。

少し男子100メートルの歴史を紐解いていたら、10秒の壁には東京オリンピックに少々関係があるようでしたのでご紹介します。
1964年の東京オリンピックの男子100メートル準決勝でロバート・リー・ヘイズ選手(米国)が追い風5.28mで参考記録の9秒9を出し、10秒0で優勝しています。
ちなみに彼は、アメリカンフットボールの選手でもありオリンピックの金メダルとスーパーボウル優勝リングを両方獲得しているスーパーマンです。1968年にはジム・ハインズ選手(米国)が高地のメキシコオリンピックで9秒95を達成し、1983年にはカール・ルイス選手(米国)が平地で9秒97を記録しています。
記憶に新しい所では2009年8月16日にウサインボルト選手(ジャマイカ)が9秒58を記録し、日本で2017年桐生選手が9秒98、その後サニブラウン選手が9秒97を出し、2019年に小池選手が9秒98を出しています。

コロナの影響下で2021年東京オリンピックが開催されるのかどうかは未だ混沌としています。感染拡大のリスクや経済的な影響、政治的な思索が様々に関わり合い先がみえません。そのような中でも人生をかけて黙々と修練に励む選手、関係者の方を想うと何とも言えない心持になります。

アフター・ウイズコロナの世でも各々の立場で日々精進することは何ら変わらないのだと思います。私も足助病院を訪れる方に〝想う医療の匂い〟を感じていただくように〝風度〟の醸成にさらに精進する所存です。
コラム一覧へ戻る