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足助病院コラム

Asuke Hospital column

2021/02/25 

Vol.179  「先人の知恵」

執筆 院長 小林真哉

春の話題を一つ。
嵐と言えは、夏・秋の台風ですが春にも嵐があります。三寒四温・寒の戻り等、従来から言われている季節の言葉があります。
なんとなく知っていても通り過ぎて行っている言葉は多くあります。一昨年は、2019年3月11日に日本海を強い低気圧が通り過ぎたことから(程度によっては、爆弾低気圧といいます) その低気圧に向かい南側(太平洋側)から、暖かい風が吹きこみ強い風が吹きました。
いわゆる春の嵐そして春一番です。春の到来を知らせる福音のように思われますが、海の仕事をされている方々は嵐になることがあり、海難事故等にて恐れられていたようです。

そして、春一番の後に寒さがもどることを、寒の戻りと言います。寒暖の変化に体調が追い付かず、風邪等の疾患にかかることがあります。気候と病気に興味を持ち、気象予報士の資格を習得したわけでありますが、このときの気候の変化をみても日常の臨床に如実に反映されているのを実感します。
春一番の翌日には、マスクをして鼻を腫らし、眼がしょぼしょぼの職員に何度も会いました。(そういうぼくも眼はしょぼしょぼ・鼻づまり)
そう、花粉症ですね。強い風により花粉が多量に飛んでいるのです。足助地区では杉も多く、春の霞のように杉の木から花粉が舞っていくのが見て取れます。寒の戻りに関しては、春一番の翌日からは気温はぐんぐん下がり、昨年は3月14日のホワイトデーに気温0℃降雪を認めました。ふと思いました、春一番・寒の戻り・三寒四温等の言葉はいつの時期から使われていたかは不明瞭ですが、自然は変わらない時間の循環を繰り返しているのだと。
そして、そこに対して先人たちは畏敬の念をもち対応していたのだと。そうだ、我々の対象としている患者さんたちは80歳以上の方々が多いのですが、皆、我々の大先輩で様々な経験をされてきた方なのだと。その方々からより学び次に生かしていかなくてはと。
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