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足助病院コラム

Asuke Hospital column

2021/04/12 

Vol.192  「凍眠」

執筆 院長 小林真哉

『院長!変換ミスです!〝とうみん〟は春夏秋冬の〝とう〟で冬という漢字!』
なんて、可愛い指摘がありそうな題ですが。
今日は敢えての〝凍眠〟なのです。

冬眠する生き物は、寒さに適応するために氷点下でも生き延びることができる〝凍結耐性〟(細胞内の水分が凍結しないように自ら不凍液のような働きを持つ物質を作り出す能力)を持っています。
代謝抑制法〟(体温を低くして代謝を下げる)をとり、生命維持の必要なエネルギーを少なくして生き延びるのです。

そんな〝冬眠〟ですがさらに凄いのが〝凍眠〟なのです。
凍眠のスペシャリストである アメリカアカガエルは、体を凍らせ冬眠するのです。気温が下がり降雪して体が氷に触れると究極の〝凍結耐性〟で臓器から水が吸い上げられ、臓器全体を保護するようにその水が凍り、心肺機能が停止するそうです。
そして春が来て暖かくなると、自然解凍され何事もなく活動し始めるそうです。正に生命の神秘ですね。

人間の世界でも、極度の低体温状態が冬眠のような状態であり、生還につながったという冬山の事故・池での事故等の報告を目にした記憶があります。
冬眠のメカニズムを解明して、〝人工冬眠〟が可能になれば、医療現場でも大きな進歩が期待できますね。

待望の春が来ました。
皆様も、ウイズコロナの新しい生活様式に順応しながら、一歩ずつ、活動範囲を広げていきましょう。

我々は、病院運営を〝不凍不屈〟でなく〝不撓不屈〟の精神でがんばります!

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