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足助病院コラム

Asuke Hospital column

2021/05/24 

Vol.202  「常識と非常識」

執筆 院長 小林真哉

数年前から始めた趣味の登山も、コロナの影響でここ一年以上山に行くことができません。
明らかに下半身、特にふともも・ふくらはぎの筋肉が衰えているのを実感します。
このままでは、医師現役にしてサルコペニア(加齢や疾患により筋肉量が減少することで、全身の筋力低下および身体機能の低下が起こること)になりそうです。
日々の生活で運動を取り入れていかなくてはと反省します。

そこで、寒い時期に山に登った時の山頂での味噌味のカップラーメンが、疲れて塩分を欲しがる体に沁みたことをふと思い出しコラムにしてみました。
カップラーメンと言えば、連続テレビ小説の99作目「まんぷく」主人公としてとりあげられた日清食品の創業者・安藤百福(ももふく)さんが有名です。創業商品はチキンラーメンで60年以上の歴史をもっています。そのチキンラーメンをアメリカに売り込みに行った際に、紙コップに入れてフォークで食べたのを見て、ひらめきカップヌードルが生まれたそうです。

百福さんの数ある名言の中に、
『明日になれば今日の非常識は常識になっている』 があります。

ウイズコロナの時代では、個々の常識・非常識の観念が変わってきます。かつては、初対面でお会いするときは、相手に顔をしっかり覚えてもらい、お伝えするために口元を見せ口角を気にして接遇することが社会人として基本の基本でした。
それが、今は、まずは「マスクはしたままで結構です。」であり、こちら側が「マスク着用のままで失礼します」と対応します。この顔の下半分が見えない生活はこれから我々の生活にどのような変化をもたらすのだろうか、顔上半分のウエイトが大きくなるのであれば私の場合、眼鏡、減少した毛量に気を配るべきなのではないかと興味津々です。

常識・非常識の概念は個々の社会環境によっても大きく変化します。
我々、医師の場合は専門知識をもち日々、診療に従事しているわけですが、専門教育を受けてきた医師と患者さんの間には情報の不均等が存在します。
診療の中で我々医師にとっての日常(常識)は、患者さん側に立って考えてみれば非日常(非常識)であることを十二分に理解して、情報を共有し共感し想いを寄せることの大切さを再認識するコラムとなりました。
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