MENU
green

足助病院コラム

Asuke Hospital column

2021/06/21 

Vol.210  「ガオカオ」

執筆 院長 小林真哉

ワクチン接種に関わる事業に携わり、皆様のワクチンへの期待と我々医療従事者への期待と責務を日々、痛感しております。
足助病院として可能な限りの尽力してまいりますので重ね重ねご理解の程よろしくお願いいたします。
なんだか、お願いの文章になってしまいましたが、コラムに戻ります。
ワクチンにからんでふと想いがよぎりました。

『学校・就職に関わらず所謂、若い受験生の接種時期はいつになるのだろうか?このままでは、受験シーズン直前になってはしまわないだろうか?このあたりは、文部科学省・経済産業省をはじめ、お国はどう考えているのかな?
未来の日本を担う人材は大切だ。今年のセンターの時期も大変だぞ…』と

令和3年1月16日~17日、1月30日~31月にかけて施行された大学入学共通テストは53.5万人が参加しました。勿論、高校3年生は100万人以上いますし、その他にも幼稚園から中学校まで様々な年代で受験する方々、父兄もいますので影響は甚大ですね。そんな折、スケールの違うニュースが目に留まりました。それがコラム表題の〝ガオカオ〟です。

高考(ガオカオ)は「現代の科挙」「世界最難関の大学入試」とも呼ばれている中国の全国統一大学入学試験で毎年の6月7日・8日に行われます。日本と最も異なる点は「本番一発勝負」で二次試験は存在しません。試験後に大学の合格基準ラインが公開され自身の点数で合格可能な大学に後から出願するという形式です。受験科目は、文系の受験生は語文(国語)、数学、外国語(主に英語)に加えて文科総合(政治・歴史・地理)を、理系の受験生は語文、数学、外国語に加えて理科総合で750点満点です。
そこで驚異的なのは受験者数です。なんと今年は1031万人でした。そして約1300校ある4年制大学の中で受験生は北京大学、清華大学、中国人民大学、復旦大学といった政府認定の超難関校「国家重点大学」88校を目指すそうです。うーん・・・ 厳しい世界ですね。更には1000万人の受験生の感染管理も大変なことですがそれでも行う受験は世界共通の教育の一大事業な訳です。

※科挙:中国の隋から清の時代1300年間にわたり運用された官僚登用試験。3年に1度、四書五経(儒教の中で最も重要な9つの典籍)を暗記して、詩歌にも優れた秀才を30名ほど合格させる制度で合格倍率は数百倍から3000倍だったとか。
コラム一覧へ戻る