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足助病院コラム

Asuke Hospital column

2021/09/09 

Vol.231  「オホーツク海高気圧」

執筆 院長 小林真哉

9月を迎えてもまだ暑いとは一体どうなっているのでしょうか?
なんと言っても太平洋高気圧の勢力が強く日本を覆っているのが原因ですね。
そろそろ涼しくなってくれなくては、と皆様思っていることでしょう。
そう、オホーツク海の高気圧が優勢になると涼しいのですよね。

オホーツク海は、北海道の北東に広がり宗谷岬から納沙布(のさっぷ)岬までの間が接している海域です。遠い昔に学校で地理の授業で学んだ皆様は久しぶりに耳にする懐かしいフレーズかもしれません。

気象の世界ではオホーツクはよく耳・目にします。〝オホーツク海高気圧〟です。日本に猛暑をもたらしている太平洋高気圧と違う性質を持っているのが特徴です。オホーツク海高気圧は、ほとんど春の後半から夏にかけて現れ、オホーツク海や千島近海に中心を持ち、冷涼湿潤です。
そうです、冷たい高気圧なのです。数日から1-2週間程度居座ると北海道・東北地方では、低温や日照不足の天候となり冷害が発生するなどの被害が出ます。

逆に、太平洋高気圧が優勢で酷暑が続く中に、過ごしやすい気温になった時、新聞・ネットの天気図で北海道の右を見てみてください。Ⓗのマークを見つけるかもしれません。それがオホーツク海高気圧です。今年の8月の酷暑の中にも何度か出現していました。

これからは、乾燥した澄んだ空気を運んでくる秋の「移動性高気圧」がやってきますので過ごしやすい気候になってきます。最も、その前には秋雨前線や台風の到来がありますので気を付けて過ごさなくてはなりません。 

今日は、ふと冷涼湿潤な高気圧〝オホーツク海高気圧〟に触れてみましたが、よくよく考えれば、皆様にとってのオホーツク海はホタテやイクラ、毛ガニ、タラバガニ等の豊富な海産物の宝庫としてのほうが馴染みでしょうね。
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