前回の赤い羽根の続きです。
いきなりの黒い羽根ですが、実は赤・緑・青・水色・黄の5色以外にも黒と白の2色がかつてはあったのです。
白い羽根は日本赤十字社の発足時の資金調達に利用され、黒い羽根は炭坑事故罹災遺家族の援助に役立てられていました。昔、日本全体が貧しい頃、「お互い様」の助け合い精神で皆、頑張っていた証です。
各色の歴史・起源に触れてみます。
「緑の羽根」は、元々は第二次世界大戦によって荒れた日本に緑をよみがえらせる国土緑化計画ための募金活動だったようです。
「青い羽根」は海難救助活動をするボランティアのための経費にあてられる寄付金です。訓練・各種の救助器材・救助船の燃料に充てられています。海に囲まれている日本ならではの発想ですね。
「水色の羽根」は、漁船海難遺児育英会がはじめたもので、漁業従事中に海難などの事故で遺児になられた方々の学資・奨学金などの育英事業にあてられ、幼児から大学生まで一貫した育英事業が整備されているそうです。
「黄色い羽根」は、交通安全のものと腎臓移植のものがあり、腎臓移植推進のほうは石川県の患者団体である腎友会がはじめたもので臓器移植の普及啓発に役立てられ、「日本黄色い羽根友の会」に発展し全国に波及しました。
また、「交通安全」を連想させる黄色から、交通安全関係で黄色い羽根が使われているようです。初めての「黄色い羽根」は昭和三十五年の春の交通安全運動期間中に幼稚園や小学生に配布された交通安全色の黄色の羽根だそうです。
「白い羽根」は日本赤十字社がブリキの赤十字マークをつけた白い羽根を使用して募金活動を行ったものだったようで昭和31年に終了しています。
「黒い羽根」は石炭不況による炭鉱失業者に救援の手を差し伸べるための運動で石炭が「黒いダイヤ」というわれたことにちなんだ色選びだったようです。
色々と書きましたが、今も昔もたすけあいの精神は脈々と受け継がれていることを改めて知る機会となりました。