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足助病院コラム

Asuke Hospital column

2022/01/20 

Vol.264  「没イチ」

執筆 院長 小林真哉

“没イチ”って知っていますか? 
連れ合いが先に亡くなって残された妻または夫の事を言います。決してマイナスなイメージで使用するものではありませんのでご留意ください。
高齢化医療の最先端に立っている我々の周りでもとてもよく見かける光景ですし、まさにその状況になる瞬間に立ち会うのが医師でもあります。今から5年ほど前の調査では、40歳以上の“没イチ”は全国に約955万人で約8割が女性です。元々、長寿の世界で平均年齢では女性のほうが6歳以上高いので元気なお姉様方が多い訳です。“没イチ”になるのは60歳前後が多いので残りの寿命を考えると、“没イチ”として四半世紀近く過ごす方も多く見えます。

概して“没イチ女子”は皆お元気この上なく、朝早くから農作業・園芸・孫の世話・一人者の中年息子の世話?・おしゃべり・旅行・ダンス・能・おどり等々、毎日予定が埋まっていて忙しく過ごされています。今は、コロナ下でなかなか以前のような活動ができていないと思いますが、自宅にこもらず工夫して過ごしていただきたいと思います。

私の外来でも、
『先生、次はいつだん?毎日忙しくて飛び回っているので暇じゃないんだわ』と、嬉々としてお話しされます。
僕としては暇つぶしに来てもらってもね~(笑)と思いながらも、女心を大切に
『そんな寂しいこと言わんと、次は○月〇日ね。転ばんといてよ~』と送り出します。
『わかった わかった。それじゃ、お昼食べておしゃべりして、パレット寄ってと』
とお帰りになります。外来受診が個々の患者さんの様々なコミュニケーションのきっかけになっていることを実感いたします。

総じて女子チームは社交的で、環境が変わっても明るく楽しく過ごされている方が多い印象です。逆に男子チームは引退後、萎んでしまい自宅にここもりがちな光景を目にします。コロナ禍で様々な制約があり、開催が延期になっている足助病院主催のイベントは多くありますが男の料理教室、カラオケ教室等楽しんで参加していただきたいなと思います。今後も様々に院内外で発信していく準備は進めておりますのでお楽しみにしていてください。

私も“早川名誉院長サロン”の向こうを張って、〝あすけ気防健究会〟と共に
“気象と防災のおしゃれサロン”的な催事を定期開催して諸先輩方の体験談をお聞きする楽しい時間を過ごしてみたいと妄想しております。(たまにSaxも吹いたりして?)
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