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足助病院コラム

Asuke Hospital column

2019/07/08 

Vol.27  「生活不活発病」

執筆 院長 小林真哉

不活発・・・? 体の機能を用いないで使わないことで生活が不活発になり、それが原因の病気の名称です。
予防・改善には「生活の活発化」が大切になります。
災害被災地での避難所で心身ともに疲弊された方が発症しやすいところから言われ始め、最近では様々なメディアに取り上げられる用語になってきました。
我々の領域では日常的に遭遇する疾患で高齢者社会には必発の疾患の一つだと考えられます。
加齢に伴う体力の衰え、肺炎・転倒・つれあいとの別れ等が誘因となり始まります。
生活不活発病は、いったんはじまると悪循環をつくって進行してしまいます。
動かないことにより歩くことや身の回りのことなどの生活動作が行いにくくなったり、疲れやすくなったりして、「動けない」、「動きにくい」状態となります。
「動けない」、「動きにくい」のでますます「動かない」ようになり、進行していくのです。
社会参加の制約は生活動作の低下を引き起こし、心身機能の低下につながります。
予防・改善は、社会参加を活発化させ体や頭を使う機会を増やすことです。
一日全体の合計の活動量を増やすことが大切で、社会に参加して生きがいのある充実した生活を送ることが基本です。人生の目的を持って動くことが大切なのです。
人生100年時代を迎えます。70代80代でもまだまだ20年30年あるわけです。
新しいことを始めて、新しい知識と人に出会うことがとても大切なのだと思います。そして、若いときからその時がきたら、そのような心持になれるように日々生活し準備をしていくことが大切です。
これから、夏休みシーズンになります。学生のみならず、社会人も比較的長期の休暇が取れる時代となりました。休暇中に生活不活発にならないように心がけたいものです。
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