先月のコラム Vol.280で春の嵐について触れましたが今日は雷さんについてです。
春雷(しゅんらい)は、従来、春の後の雷で冬の終わりを告げる雷とされます。
皆さんのイメージでは雷⇒夏!の方が多いのではないでしょうか?
統計的に日本で多く雷が発生しているのは8月ですので間違いはありません。
しかしながら、春の雷も頻度的には少なくはないので油断はできません。
背の高い積乱雲から発生するのが雷ですが、成り立ちがと夏では大きく違います。雲が地面によって温められた空気による上昇気流によるのが暑い夏の特徴ですが、春の雷は前述コラムの春の嵐に関わる寒冷前線に伴って発生します。
前線(コラムVol.28 参照)では、冷たい空気の上を暖かい空気が緩徐に昇っていくのが温暖前線、温かい空気の下に冷たい空気が潜り込むのが寒冷前線です。寒冷前線付近では冷たい空気に潜り込まれた暖かい空気が急上昇し積乱雲が発生します。その積乱雲が春雷をもたらすわけです。
雷はそもそも、湿った空気が激しく上昇して上空の低い温度の層に達しあられや氷晶が多量に発生して、大気中に量の正負の電荷分離が起こる放電現象です。
落ちてくるあられ・氷晶が、夏なら落下している途中に溶けて雨になることがほとんどですが、春先はまだ気温が低いため溶け切らずに地上まで落ちてしまうので、春雷にはひょうが降りやすいという特徴もあります。
農業にも大きく影響をします。まずもって、降雨をもたらすといういい点があげられます。ただ、雨にならずひょうとなると農作物そのものやビニールハウス等の破損につながり被害が出ます。
春の嵐・雷からのはじまり
上昇気流⇒積乱雲⇒氷晶・あられの生成⇒電離分離放電⇒雷⇒降雨・ひょうのメカニズム解説のコラムになりました。
“地震・雷・火事・親父”とおやじさんが畏怖の念を抱かれた時代は“疾風迅雷”の世の中ではるか彼方に・・・・・