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足助病院コラム

Asuke Hospital column

2022/05/23 

Vol.297  「旅の日」

執筆 院長 小林真哉

先日“コラムVol.293 ともさんへ” でかつて瀬戸内へ出かけた思い出を綴りました。
日常を見つめなおす上でも、日常から離れて見分を広めることは大切です。

「医療・福祉・介護の世界だけで研鑽していては不十分です。自らのアンテナを高く鋭敏に立て、様々な領域に興味を持ち見識・人的交流を深め、自らの人生を豊かにして“風度”(参照 コラムVol.60)を高め本業に活かしてほしい」と日頃から自らにも職員にも伝えています。とは言え、あまり難しく勉強・研修ばかりじゃよろしくありません。
その意味では、日常の生活から少し離れて旅をするのは素敵なことです。私自身は鉄道好きなので、極力、移動は鉄道です。路線図、時刻表を眺め計画を練るところから非日常が始まります。そして、人生の新たな扉が開くのです。

というわけで今日のテーマは“旅の日”です。
毎年5月16日は“旅の日”です。日本旅のペンクラブが1988年に制定しました。
さて、どうして5月16日なのかご存じでしょうか?
「月日は百代(はくたい)の過客(かかく)にして、行きかふ年も又旅人也」のフレーズは皆さん学生時代に暗記したね。そうです、今から333年前の元禄2年の5月16日(旧暦3月27日)、松尾芭蕉が「おくのほそ道」へ旅立ったことに由来しているのです。
粋ですね!ちなみに、おくとは東北地方のことを指しています。

当時、芭蕉は46歳で一念発起して弟子の河合曾良と2年間をかけて江戸を出て東北と北陸を徒歩で旅しました。全行程は600里(2400km)と言われています。旅での想いが“奥の細道”に綴られています。俳句を詠むだけではなく立ち寄った所ところで句会を開き、人的交流を広げたことも有名です。私も、いつの日か徒歩では無理ですので自転車で(無理か?)、鉄道で巡りたいと思います。
そして、そんな日が早く来ることをコロナ禍に願っています。

今、世界では様々なことが起きています! 
世の中が平和で皆が健康であることを切に願います。
300年以上昔に既に、芭蕉は詠んでいます。

『夏草や 兵どもが 夢の跡』    と

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