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足助病院コラム

Asuke Hospital column

2022/06/06 

Vol.301  「草刈り 考 ~日常の気付き~Reply to Mrs. Tomo」

執筆 院長 小林真哉

私の外来には定期通院される90歳を超える可愛いお姉さま方が多数います。
皆様、「あっち、こっちが痛い」と笑顔で会話(診察)を楽しみに元気に来院されます。

お姉さま方 「なんでこんなにあっちこっちが痛いんだん? 先生?」
私 「若いころから、身を粉にして働いてきた証とお年頃だからだね。」
なんて、よくわからない説明をしながら診察室での時が過ぎます。
お姉さま方 「んにゃ、今朝も草むしり2時間やってきたでな、しゃあないか」
私 「ええっ そりゃ腰痛・筋肉痛になるよ。熱中症にも注意してよ」

そうです、皆様現役で“働いて”いらっしゃるのです。〝コラムVol.276: 働いて仕事する〟で触れた“働く”ですが意味合いとして「傍(はた)を楽(らく)にする動き」
はた=まわりの人を楽にすることに重きがあり「誰のために」という対象があります。
一見地味にみえる草むしりという作業には、家族のため、近隣の人のため、地域のために皆が気持ちよく安全に過ごせるようにという崇高な目的があるのです。

そんな折、私の在住の地域でも美化清掃活動があり参加する機会がありました。
(普段、なんだかんだと自分に理由を設けてさぼっているのですが…)
草むしり、あなどるなかれ。腰痛等の体の疲労感は当然としても、おちびちゃんたちの通学路のすっきりしたこと!そして、腰を伸ばして眺望したときの達成感!
どこかで覚えた感覚、そうです、汗だく、疲労困憊で到達した山頂での感覚です。
道中の森林浴や渓流の風景は、雑草が根こそぎ・もっこり取れる爽快感に似て非なるものに私は感じました。今後はまめに参加できたらとちょびっと思います。(笑)

普段の何気ない会話や日常生活の中にこそ、“気づき”がちりばめられています。ただし、それに気づくには旺盛な興味・行動力・想いが必要です。  
昨年の病院職員スローガン『自他を想う』には、〝相手の立場になり喜び、悲しみ、苦しみ、痛み等々を受け取ることにより、相手の痛みは自分の痛み、相手の喜びは自分の喜びになり相手と一つになれ〟とのメッセージを込めました。

行動力と言えば、様々な状況下でも“コラムVol.260 キョウイクとキョウヨウ”で触れたように“目的を持ち外に出る必要な用事”は大切です。素敵な電動車椅子でバリアフリーを経験し開く自動ドアをくぐる度に、素敵な“人生の扉”が開くのでしょう。

そして、その想いを我々に伝えてくれて本当にありがとうございます!ともさん !

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