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足助病院コラム

Asuke Hospital column

2022/06/16 

Vol.304  「フードテック」

執筆 院長 小林真哉

ん?フードコートにはよく行くけどなんて職員からつっこまれそうな題ですが。
最近はテックが語尾につく語句をよく目に・耳にします。フードテックとはフード(Food)とテクノロジー(Technology)の造語です。
スリープテックは睡眠の改善や分析にフェムテックは女性の身体の悩みをテクノロジーで解決する技術革新に使用され、アグリテックは農業生産にテクノロジーを取り入れることさします。
新型コロナ禍での流通の障害に危機感を抱くことが、食料自給率の向上に貢献できるフードテック、アグリテックへの利用に大きく舵を切ることになるモチベーションになっています。

世界を見渡すと食料自給率を30%まで引き上げることを目標としているシンガポールが先進的な取り組みを始めています。元々、農業用地が国土の1%に満たず、食料の約9割を輸入に依存しているので得意のテクノロジーを活用しフードテックが活発な訳です。ちなみに日本の農用地は国土の13%で森林は66%です。農林水産省が発表している食料自給率ではカロリーベースで38%、生産額ベースで66%となっています。付加価値に高い農産物を生産日本ならではの数値だと思いますが、この値も挙げていかなくてはならないのだと勘案します。

幾つか代表的なフードテックをご紹介しておきましょう。
食材の分野では、今後世界的な食糧難を救うと目されている昆虫食の食用コオロギパウダーや4月に入って掲載予定のコラム〝フェイクなミート〟でふれる大豆のお肉・液体ミルク・完全栄養食品パスタ・ラーメン・パンなどがあります。技術面では、特殊冷凍技術や食品をその形に合わせて真空状態にする包装技術「スキンパック」などは消費期限を延ばしフードロスの軽減に大きく貢献するものです。スキンパックはTVで見ましたが、いくらはつぶれずにぴったり包装され、とげとげの雲丹は破れずに包装でき、お肉もピチピチ包装なので汁が垂れることが無くぶら下げる陳列方法が可能となるそうです。

 日進月歩、世の中は変革しています。 百聞は一見にしかず。 ん?
百見は一経験にしかず(参 コラムVol.149)の私ですので、まずは昆虫食の食用コオロギパウダーを使用した料理に挑戦といきましょうかね。

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