MENU
green

足助病院コラム

Asuke Hospital column

2022/07/14 

Vol.312  「イチジク受難」

執筆 院長 小林真哉

 私「早川先生! 緊急事態です! パティオで先生が大切に育てているイチジクの木が根から倒壊しました」
早川先生:「えー―――! そりゃいかん!」
2022年7月6日夕の院内PHSでの緊迫した会話です。午後からの天候の悪化で積乱雲が成長し強い雨と風が出てきていました。私は院内業務でしていたのでさほど気にしていませんでしたが、外は大変なことになっていました。
風が吹き荒れ、駐車場内でいろいろな物が散乱している状況で、職員の報告にて被害状況を確認していたところ、パティオ(中庭)の早川先生が大切に育てているイチジクが無残な姿になっておりました。

そんなわけで今日は急な風についての啓発コラムです。激しい突風は積乱雲からもたらされ、竜巻・ダウンバースト・ガスフロントなどがあります。

竜巻:激しい渦巻きで漏斗状または柱状の雲を伴い、被害域は幅数十~数百メートル、長さ数キロメートルの範囲に集中します。
ダウンバースト:下降気流が地表に衝突して水平に吹き出す激しい空気の流れで、吹き出しの広がりは数百メートルから十キロメートル程度で被害地域は円形あるいは楕円形など面的に広がる特徴を持ちます。
ガスフロント:積乱雲の下で形成された冷たい空気の塊がその重みにより温かい空気の側に流れ出すことによって発生し、水平の広がりは竜巻やダウンバーストより大きいです。
今回は、規模や被害形状からしてダウンバーストの小型版マイクロバーストの可能性があると思いますが、状況によっては怪我をしたり命にかかわることがありますので皆様、以下の兆候が感じられたら身を守る行動をとってください。

① 雷の音が聞こえる ② 真っ黒な雲におおわれる
③ 冷たい風が吹く ④ 急な強い雨が降り出す


今回は、怪我人もなく翌日イチジクも無事復活いたしましたので良かったですが、これからしばらくは注意が必要です。
そして翌日、復旧したイチジクを見ながら早川先生と話をしている私の後ろをニコニコと通り過ぎる某職員の手には、昨日の風で落ちたと思われるよく熟した大ぶりの美味しそうなイチジクが握られていたのでした。
〝災い転じて福となす〟(ん! なんだか意味が違うような・・・笑)
足助病院コラム

足助病院コラム

コラム一覧へ戻る