コロナ禍以前、宴会では座敷が苦手な方が多くで掘りごたつや椅子席が人気でした。
年代的に上の方々との会食が多かったことが理由の一つで、腰痛持ちや膝痛の方が多々みえるわけです。
また、腰や膝が丈夫でもお腹が出ていて食べるのに苦しいなんていう理由の方もみえます。
泊りの宴会に至っては風呂上がりの殿方の裾がはだけて放送禁止状態になってしまい見苦しいなどの弊害がありました。
最近はコロナの影響で、我々は飲食目的の会合はご法度でしたので、少々忘却の彼方でしたがそんな折、ある座り方を思い起こすラジオの放送を耳にしました。
「いまだに子供たちはあの体育坐りをしているのだ」との放送内容でした。
“体育坐り”ですが愛知県・福岡県・兵庫県・岐阜県などの地域では“体操座り”と呼ばれています。かつて我々がやっていた膝を抱えて背筋を伸ばすあの坐り方のことです。
今思えばお尻は痛くしびれるし、床は冷たく腰も痛かった印象しかないです。
1965年に学校で導入されたようですので、半世紀近く放置、いや放任されていた訳です。
大人は掘りごたつや椅子なんぞの楽な方向に進んでいるにもかかわらずです。反省しきりですね。
ちなみに、長時間に適している座り方はあぐらで、下半身への負担が軽減される他にも、下半身の関節を柔らかくする効果があるという説もあります。
アメリカではあぐらが一般的のようです。
いずれにしても教育の現場では、坐る姿勢よりも聴く姿勢が大切です。
一方、我々の医療の世界ではよくつかわれる座位の呼び方があります。
長座位は両足を伸ばして前方に長く出した座位姿勢のことです。
端座位とは、ベッドの横やいすに腰掛けたりして足を下ろした座位姿勢で、日常生活動作を考える際に基本となる姿勢なので保持できるかどうかがとても大切になります。
端座位が安定していると移乗・歩行・更衣・トイレでの排泄などのADLが自立出来るのです。
半座位とは、ベッド上の座位で、セミリクライニング・ギャッジアップ座位と呼ばれ、入院中の患者さんがよくとる姿勢になります。我々も日常的によくとりますね。
日常の医療・看護・介護の現場ではよく飛び交っている用語となります。
どんな状況でも心地よく座って過ごしたいですね。
院長になってからは講演やお話しする機会が多いですが、ゆったり座っていただきリラックスして話に集中ていただきたいですが眠られては元も子もありませんので日々、興味をそそる話題・演出(Sax演奏を入れたり)を心がけています。
多くの方々と集い語り合える状況が許される日が早く来ることを願うコラムとなりました。