早朝の院長室でいつものようにメールチェックしていた時のことです。
幾つかの新着メールの中に見慣れたアドレスを見つけました。
【拝啓 小林 足助病院長 御机下
ご無沙汰しております。以前、お世話になりました大○です。
折り入って、お願いしたい案件がありましてご連絡差し上げました。・・・】
今更かしこまったメールをする仲でもない大○さんですが、どんなお願いだろう?と読むと医療系雑誌:メディカルクオールにおいて足助病院のスペシャルレポートを組みたいので取材協力してほしいとの件でした。
タイトルもなかなかで「JA愛知厚生連足助病院の取り組み -超高齢社会における地域と医療機関の共生の在り方を考える、住民との親密な関係構築や持続可能な社会づくりへの貢献」でした。ボリュームも総ページ8P(16,000文字数)となかなかでした。
ん? 16,000文字?
そうです。一昨年、私自身の特集を組んでくれたメディカルライターの大○さん。
その時の彼の言い訳(笑)が「紙面が1,600文字しかないので先生を十分に表現できないかもしれません」
それに対しての私の答えが「文筆力を駆使すれば1,600文字は16,000文字にでもなるでしょ」でした。
結果、素敵な文章が出来上がってきたわけですが、その時に彼に伝えたのが「次回は、足助病院を取り上げてほしい」でした。
仕事で義理を果たした彼は、更に16,000文字にこだわったのかもしれません。
取材当日は、昼から夜遅くまで、各職域の職員が15分単位で入れ替わり立ち代わりインタビューを受けていました。
夜7時を過ぎたころに僕の順番が来ましたが流石に、彼も疲労困憊ではありましたが、とても充実して白鷺館に泊まり温泉で疲れを癒し、翌日東京に帰っていきました。
出来上がった原稿を読んだ若手事務職員が言いました。
「これぞ足助病院だ!」
各自持ち時間が15分で言い尽くせない・聴き尽くせない〝想い〟が真剣勝負の魂インタビューに込められていたのでしょう。
原稿16,000文字の中には行間を含め数倍のボリュームで職員の足助病院・地域へ対する〝想い〟が込められており僕の心に深く沁みました。
そして今、その原稿は許可を得て足助病院の紹介パンフレット〝想う医療〟に装丁し、常時に私の鞄にあり事あるごとに会う人に配っています。
「この想い届け!」とばかりに