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足助病院コラム

Asuke Hospital column

2022/12/08 

Vol.348 「見える化 -気象編-」

執筆 院長 小林真哉

組織の進む方向を提示するには、理解しやすいビジョン提示が必須です。
前述した足助病院ブランディングプロジェクトにおいてもこの観点には重点をおいています。
そうです、視覚を経て6感に訴えるインパクトが必須です。

気象や防災の世界でもこの考え方は当てはまり日進月歩しています。
そこで今日の話題は、最新の衛星“だいち3号”の話題です。
皆さんの衛星画像利用で身近なところでは車のナビゲーションやGoogle Mapですね。
空を飛ぶ鳥の視点から地上を見おろしたように描くパノラマ図のことを鳥瞰図(ちょうかんず)とも言いますが、建物や山などの立体感や遠近感が描かれとても理解しやすいです。

かつて、2006年に災害の監視や状況把握、地理空間情報の整備・更新などを目的とした地球観測衛星“だいち”が打ち上げられました。
今回の3号は初代から大きくパワーアップし、細かなところまで見分ける分解能は初代の2.5mから0.8mに進歩し駐車場に何台の車が停まっているかを640㎞上空から識別します。
更に観測幅は災害発生時には広い範囲全体を迅速に観測することが望ましいとされる70kmへと拡大しました。
これほどの広い視野と高分解能を両立する光学衛星は世界的にもまれです。

今後は、0.8mの分解能×幅70kmを1周回(約98分)で4000km(東京からパプアニューギニアあたりまで)にわたって観測でき、一度で広域×高分解能観測データが大量にとれる位置の決定精度が高い大型衛星ならではのストロングポイントを有効に活用し、最近の小型化・高性能化の衛星の組み合わせで利用する(コンステレーション)ことできめ細かい情報取得が期待できます。
このプロジェクトは2022年度中の打ち上げを目指しています。
いずれにしても、技術革新は驚くべきスピードで進んでいきます。
問題は、これらの技術の利用法です。人類のためになる技術革新であってほしいです。
決して争いごとの道具にはして欲しくありません!

今回は気象衛星についての最新情報コラムでしたが、次号では「気象衛星ってなんだろ」についてです。

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