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足助病院コラム

Asuke Hospital column

2023/02/09 

Vol.364 「ぶり大根」

執筆 院長 小林真哉

昨年の師走のある日の出来事です。

「こんな80センチのぶりだぞ!」
と、両手を広げ優に1メーターは超えそうなジェスチャーの我が尊師。
週の初めの院長室の風物詩になりつつあります。
そして、手にはタッパーを!
「40分、煮込んだからな!」

太陽光発電事業の会社を起業し、SDGsを地で行く早川先生にとっては自ら釣り上げた魚を調理して、後片づけもして食らうことは日常です。
御自らコラムでカミングアウトしているので、個人情報ではないでしょうが、コロナ感染快復後で釣果もよろしいようです。

さて、今回のレシピは表題のぶり大根で、ぶりの煮汁が染み染みの大根は師走で足りまわっている院長業にひと時の癒しをもたらす逸品でした。

せっかくですので、この場を借りてぶり大根の栄養指導といたします。
その前にうんちくを一つ。
鰤と書いてぶりと読みますが、魚編に師匠の師の字ですね、年寄り意味を表す師は、年をとった魚・老魚の意味があります。
また、冬の師走の魚ということでもあるようです。
栄養学的には、ぶりはたんぱく質・脂質・ビタミン類を多く含み、ぶりの脂質のうちEPAは、中性脂肪を下げ、DHAは、記憶力の向上や生活習慣病の予防などさまざまな効果があります。
ビタミン類ではB2は、脂肪の代謝効果があり、ナイアシンは脂質や糖質からエネルギーを効率よく作るための重要な役割を持ち、Dはカルシウム吸収を助けるので骨粗しょう症予防の効果があります。

大根には食物繊維やビタミンB1・B2・B6・C、ナイアシン、葉酸、パントテン酸と多くのビタミン群が含まれます。
ぶり大根では煮汁に多くの栄養素が溶け出しているので、ぶりの高栄養素をあますことなく摂取することができます。
だからこそ、ぶり大根で食べることに意義があるのです。

農村漁村の郷土料理百選で〝ぶり大根〟は富山県で〝ます寿し〟とともに選ばれています。ちなみに愛知は〝ひつまぶし〟と〝味噌煮込みうどん〟、岐阜は〝栗きんとん〟と〝朴葉みそ〟、三重は〝伊勢うどん〟と〝てこね寿司〟です。

寒い時節、囲む機会が増えるしし鍋は、岡山県の郷土料理でもあります。

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