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足助病院コラム

Asuke Hospital column

2023/02/13 

Vol.365 「思い込み」

執筆 院長 小林真哉

昨年末の某日のことです。
院内で知り合いの○○さんから質問されました。
「院長先生、聞いてくださいよ-。この前、笑っちゃう出来事があったのよ!
検診で高血圧を指摘されたので、大学病院を受診したら、そこの若い先生が○○さんは糖尿病のお薬は何を飲んでいますか?と聞くのよ!
それってどう思います? 完全に見た目で決めていません?」
と、そのご婦人を改めて拝見いたしますと、確かにふくよかな体形。
とはいえ、「そうですね、仕方ないですね」とも言えず静かに佇む私。
その時、ご婦人は診察した医師に対して
「違いますよ!私は、検診で指摘された高血圧の相談で来たの!
糖尿病じゃないの!」
と鼻息荒く抗議したそうですが、更に微笑ましいのは、診察した医師自身が
オチを付けてしまったそうです。
「あっ、すみません。体型で、あっ、いや、じゃなくて」
話しているご婦人も、実は笑いのネタとしてのカミングアウトでした。
ご婦人も「見た目で決めている」と自ら言った時点で、自己完結しているわけですが・・・ なにも私に感想?質問?を投げかけなくてもいいのに・・・

かつて私もやらかしたことがあります。
妙齢のご婦人に付き添いで来られた男性に向かい
「こんにちは足助病院の小林です。今日はご足労有難うございます。
今から、◎◎さんの病状をお話しさせていただきます。
ご主人さんでよろしいですね。」
と、ご婦人が私に向かいにっこりと微笑んで
「☆☆、私がお世話になっている先生ですよ。よくお話を聞いてね。
小林先生、息子です」
ありゃ。再度◎◎さんの年齢をカルテで再確認。ん!80代後半だった!
どう見ても60代後半から70代前半でしょ・・・不覚!
瞬時に修正コメントをだしました。
「失礼いたしました、◎◎さんが若々しいので、息子さんごめんなさいね」
自分の母親を褒められて気分の悪い息子はいませんね・・・
その後も終始、穏やかに話し合いは進みました・・・

逆だったらと思うと・・・思い込み、気を付けます・・・

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