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足助病院コラム

Asuke Hospital column

2023/02/16 

Vol.366 「外郎」

執筆 院長 小林真哉

皆様、読めましたでしょうか?
和菓子で有名な〝ういろう:外郎〟です。
愛知県人なら当然ご存じのフレーズが耳に残っている方も多いことでしょう。
「白・黒・抹茶・上がり(あずき)・コーヒー・ゆず・桜」七つの味の宣伝文句です。
先日、山口県に学会で出かける機会があり特産に〝ういろう〟があることを知りました。
そのような訳で、今日はういろう概論です。

外郎はかつて中国にあった医者や薬剤師を指す「外郎職」を指し、起源は中国から帰化した外郎職・陳宗敬から始まったとされています。
室町時代に誕生して江戸時代に日本全地に広まりました。
私自身は、名古屋名物として認識していましたが、実は各地に名産地があり山口や京都、小田原などは有名で地域によって使う材料も異なります。 
米粉やわらび粉、小麦粉、黒砂糖や白砂糖、和三盆などバリエーション豊富です。

【名古屋】うるち米からできる米粉を使い、もっちりした弾力のある食感です。
青柳ういろうは、昭和39年東海道新幹線の開通時以来、車内販売を行い「名古屋名物ういろう」を全国的に有名になりました。
【山口】原材料にわらび粉を使っているのが最大の特徴です。もちもちとした弾力は弱めで、わらび餅のようにぷるぷるとしたやわらかな食感が魅力です。
【京都】「五建ういろ」が有名ですが、ういろうを三角形に切って、小豆をのせた「水無月(みなづき)」という和菓子が有名です。
【小田原】薬とお菓子のういろうの両方があります。
万能薬ういろうの見た目は仁丹と似た銀色球体な形状や原料を元としており構成成分が生薬なので、広義では「漢方薬」とも解釈できます。

ちなみに効能は、胸腹痛、胃痛、食中毒、頭痛、歯痛・消化不良・下痢・吐き下し・癪痞・溜飲・悪心嘔吐・食欲不振・急性慢性胃腸炎・胃回虫症・心臓病・心悸亢進・心臓補強肝臓・悪阻・酒の悪酔・宿酔・船車・乗物酔い・眩暈・気欝・疲労・暑寒中・日射病・声の嗄れ・咽頭炎・身体違和感・口内炎・・・・・・と多種多様の記載があります。

う~ん、なんて万能!  医者いらずですな!

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