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足助病院コラム

Asuke Hospital column

2023/02/27 

Vol.368 「2秒」

執筆 院長 小林真哉

「院長!凄いっす、2秒短かったです・・・」
ある日の私と職員○○君との会話です。

仕事上様々なところで講演をする機会がありますが、文字だけ、静止画だけの講演は現在社会の様々な映像に暴露されて目の肥えている聴衆にはいささか退屈なものになってしまいますので、いろいろなVTRを作成し随所にちりばめ眠くならないように、記憶に残る工夫を重ねています。

私の講演は、専門領域の消化器・老年病・総合内科の講演というよりは地域でどのような医療を展開し、今後どのようなビジョンを持っているかのような若干抽象的な理念・信念の内容が多いので、なおのこと心を波立てることができるプレゼンテーションに拘って来ました。
かつては自らビデオ編集ソフトを駆使して挿入画像・音源を工夫していましたが、職員の成長もあり現在では職員がクオリティーの高い仕事をしてくれるようになりました。

冒頭の会話は、そんな状況下での出来事に由来するエピソードです。
現在、ドローンでの空撮を駆使した講演のオープニングVTR・新緑バージョンはなかなか俊悦なもので季節にかかわらず頻用していましたが、2022年の香嵐渓は10年に一度の艶やかさだったので香嵐渓の風景を取り入れた秋冬バージョンの制作を企画し、
「新緑版はとても良かったしいろいろと忙しいだろうから、そのままのデザインで中の動画と音楽を入れ替えてくれればいいからね」
と私はお願いました。
しかしながら、すぐに出来上がったVTRを見てなんとなく違和感が・・・

私「○○君、なにかが違うのだよね・・・」
○○君「えっ?全く変わらないはずですよ。画像音楽を入れ替えただけですから」
私「そうか、でもね・・・念のためもう一度だけ見てみて・・・尺とかかな・・・」
そして、その返事が冒頭の報告だったのです。
長年の講演での身に沁みた間なのです。

時節はサッカーカタールWCでの日本VSスペイン戦での2点目での〝三苫選手の1.88㎜〟が世界中で取りざたされていましたが、西三河中山間地域の北部医療圏の足助病院では私と○○君との間ではこの2秒がトピックスになったのでした。
〝こだわり〟 大切ですね。

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