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足助病院コラム

Asuke Hospital column

2019/10/03 

Vol.47  「風倒被害」

執筆 院長 小林真哉

今、風倒被害が社会問題になっています。
台風15号による家屋の被災に加え、大規模停電が千葉県で発生し9日のピーク時には約64万軒で、自然災害では東日本大震災以降で最大規模と報道されていました。被災された方々の心身共の健康を心より案じています。
今回は強風により鉄塔や電信柱が倒壊したうえに木々が倒されて電線電柱に被害が出て停電になったようです。このケースでは停電解消に倒木処理が欠かせないのですが、かかり木(倒れた木が別の木、あるいは電線や建物に寄り掛かっている状態)の処理は難易度が高く復旧の遅れが出るようです。作業をされている方々の熱中症をはじめ心身の健康状態も懸念するところです。

停電は当院診療圏でも比較的身近な問題で、落雷による停電はもとより、2018年は台風の影響の倒木で3日ほど停電した地域がありました。
実際私の外来に通院されている方からも苦労話をお聞きしました。

現在、病院挙げて地域防災に取り組んでいますので停電⇒倒木⇒林業と少々掘り下げてみます。
当診療圏は中山間地域でありますので山々と河川に囲まれた自然豊かな素敵な場所ですが、病院から眺める山間には鉄塔が林立しています。
この地域に風倒被害が起こることは想像したくないですね。

風倒ですが、普通、風を受けた樹木は根元から倒れるのに今回は、木の幹の途中から折れているものが多いそうです。
報道では、千葉大学の小林達明教授が「溝腐病(みぞぐされびょう)」と呼ばれる病気にかかって空洞化したスギが次々と折れたことが、大量の倒木が生じた原因の1つとみられると指摘されています。
勉強してみますと、かつてより林業は農業と平行しながらマツ、スギ、ヒノキと環境に合わせて植え継ぎ健全な木々を育てたようです。
長い時間をかけて多様な木を育てることは大変なのと政策的にスギの一斉林づくりが奨励された時期があり、スギの林が増えたのです。
しかしながら、人手不足等で手が入らない山が増えると不健康な樹木が増え、「溝腐れ病」に罹患しやすくなるのかもしれません。

大自然が相手の防災・減災は、巡り巡って林業のように自然を相手にする産業がとても重要なのだと改めて思わされるコラムになりました。
 
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