MENU
green

足助病院コラム

Asuke Hospital column

2019/10/24 

Vol.52  「積雪量と山菜」

執筆 院長 小林真哉

もう半年近く前のことになりますが、水不足を思い、桜の開花状況もほぼ満開に近づいた2019年4月初旬の早朝寒さで目覚めた時のことを思い出しました。
身支度をして病院向かう途中の足助の外気温度計の指し示す気温はなんと氷点下1度、今年は暖冬であったはずなのに、まさに花冷えだなと考えながら院長室に到着して気になる天気図をチェックする。
なるほど上空に真冬並みの寒気があるのに加えてこの晴天による放射冷却効果だな、北陸のほうでは桜に積雪してとても優雅だなとコラムのネタを考えていました。

しかし、こうも気候が不安定だと地域の高齢者の皆さんの健康状態が心配になります。
その心配に比例して当院ではほぼ満床状態が続いていました。気温の変動は本当に体にこたえるのだと再認識しました。

話変わって、先程の桜に雪から発想を膨らませていると、何となく暖冬→積雪量が少ない雪が少なく暖かい冬は快適で過ごしやすいが、雪が少ないと当然残雪が少なくなります。
とするとおいしい山菜が早く始まり早く終わってしまうそうです。自然って趣深いものですね。
少し調べてみましたところ、山菜は年により収穫出来る量が大きく変わるそうです。その収穫量を左右するのが「雪」なんです。
まず山菜は雪解けで芽を出し、標高が低く気温が高い所から雪融けと伴に山奥に移行します。収穫期間は山奥の残雪が消えるまでです。
つまり残雪が少ないと高山も低山も同時に山菜が芽を出すので、収穫期間が短く収穫量が激減してしまうのです。
また、山菜は雪融け水により瑞々しくなり、美味しくなります。 そして山菜は「雪」の下で秋に蓄えた養分が糖分に変わりそうです。 雪国のワラビが美味しい理由がここにあると言われています。 又、「雪」が地面の温度を保ち山菜を守っています。

足助病院にとってのそんな優しい雪は何だろなー地域の人々なのかなと山菜そばをいただきながら想いを巡らせた日のコラムです。
コラム一覧へ戻る