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足助病院コラム

Asuke Hospital column

2019/11/25 

Vol.60  「風度」

執筆 院長 小林真哉

前回のコラムの最後で触れた風度です。
ん? 風度(ふうど)?風土ではないし・・・ また、気象がらみのコラムかな・・・と思われた方多いのではないでしょうか? 
確かに気象の世界では、風(かぜ)に関わる用語で、風雨・風向・風力・台風・風水害・風力計などがあり風(ふう)の読みも耳になじんでいますね。
でも、温度・湿度と言う語はありますが、風度と言う言葉はほとんど使用されていないように思います。

今日は、気象の風ではなく(気象の風ネタは尽きることなくいくらでも書けますので折に触れてコラムにしていきたいと思っています)、人としての風度のお話です。
私自身は、第九代足助病院長を拝命して早8か月が経とうとしています。怒涛のあいさつ回りを経て少しづつペースをつかみつつあります。
その中で職員共々、自己研鑽について日々議論することが多いです。自己研鑽にはやはり自らテーマを決めて勉強することが不可欠です。
当然のことですが僕のテーマの一つは『リーダーとして』です。
もちろん、各職員も先輩後輩の関係性は必ずあり、大なり小なりリーダーが各所に居るわけですので、積極的な自己研鑽・研修を薦めています。
そして、役職名だけではない人を動かせるリーダーになることが一つの目標になります。
そのためには、一人になったときにコツコツと努力をすることが必要です。その先に、部下に「このリーダーなら」という“なら”という信頼の気持ちを持たせることができるのです。この「部下に“なら”と思わせる“らしさ”」のことが「人間の風度」ということです。
情報・判断・決断・行動などの要素はリーダーにとって不可欠ではありますが、それ以上に風度が必要なのです。風度というのは、その人間の発する求心力・信頼感・行動力などが醸し出す、「人としてのこく:風味」なのだと思います。
一朝一夕に「こく:風味」なんて纏えませんよね。例えば、おいしい老舗の鰻屋さんのタレは代々のエッセンスが凝縮され、それを纏ったうなぎだからこそ美味なのでしょう。
人はこの「こく:風味」を纏うのに一代しかありません。だからこそ、リーダーになるためには一生涯地道な努力・勉強が必要なのでしょう。
日本の究極のリーダーである徳川家康は「人の一生は重き荷を負いて遠き道を行くがごとし。必ず急ぐべからず」と述べています。   

うーん、深いなー。
このコラムを書くことも勉強の一つの証ですかね?
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