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足助病院コラム

Asuke Hospital column

2019/12/02 

Vol.62  「日常と非日常」

執筆 院長 小林真哉

私は足助病院に一医師として仕事をして居るわけですが、様々な機会に医療講演をさせていただきます。
その中でお話しすることで、将来的に介護が必要となる疾患においては、『医療』は非日常、『介護』は日常であるとお話しします。
つまり、ひとたびことが起きますと医療の現場では命を救うために、家人の方々には精神的・肉体的・経済的な負担が一気に押し寄せる非日常的な世界が始まるのです。
そして非日常の生活が終息した後には療養・介護の世界が待っています。
勿論、患者さんご本人が最もつらい思いをするわけですが、それを支える家族の方々はそれ同様もしくはそれ以上の想いを強いられるわけです。
そしてそれが日常的に続くのが介護なのです。

だからこそ、『非日常』に対する心構えと『日常』に対する心構えを使い分け、対処していくことが大切なのです。
それが、患者さん本人・家人の幸せにつながります。
実際の現場では一医師の力より看護師・福祉関連の職員達の力がとても大事です。
そしてその分野での強みを持つのが足助病院だと自負しております。

話変わって、私のパラレルキャリアーである防災の観点から考えてみました。
私は仲間たちと共に医師・気象予報士・防災士としてのキャリアーをいかに生かせるかを日々腐心しております。
その中で、『非日常』『日常』の考え方は、被災および被災後の生活に当てはまると考えます。
実際、2018.7.7の西日本豪雨の被災地岡山県倉敷市真備町に災害ボランティアに行ってみて真に思いました。
被災者宅の土壁を壊し土嚢を作り運ぶ過程で、息の長い関心・支援が必要なのだろうと。
そして、病院に帰ってみて医療・介護の世界も同じだなと・・・まずは、関心を持ち自分に置き換えて考えることが大事なのだと。

『相手の気持ちになって考えなさい』とはよく言われましたがなかなか難しいですよね。
『自分がそうなったらどう思うかな』のほうがしっくり腹に落ちるのかも・・・と
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