MENU
green

足助病院コラム

Asuke Hospital column

2019/12/16 

Vol.66  「菜食中心の食生活の効能?」

執筆 院長 小林真哉

先日、ネットサーフィンで刺激的なタイトルに触れました。
〝「人類は地球温暖化による『気候の緊急事態』に直面しており、このままでは経済や社会に破局的な影響が生じる」と警告する論文が趣旨に賛同する153カ国、約1万1千人の科学者の氏名と共に、生態学の専門誌に11月13日に発表された〟です。
声明で掲げられているすぐに実践できる方策の一つの解釈が斬新でした。 
「菜食中心の食生活を送る必要がある」というものです。
日頃から、私自身の講演の中で健康寿命を延ばすために、「一汁三菜、野菜、農業」について触れることが多いのですが、地球温暖化対策にもなるというスケールの大きな視点を加えることが出来て講演内容の厚みが増しそうです。
解釈として、温室効果ガスの総排出量にで、人類の食料システム(農耕牧畜、輸送、包装、飼料製造など)の割合は37%に上り、中でも牛、ヒツジ、家禽類の生産が排出量の18%と大きな割合を占め、船舶や航空機、トラック、自動車からの総排出量よりも多いとありました。
また、アメリカ人全員が食べるすべての牛肉、鶏肉、豚肉を植物性食品に置き換えた場合、毎年2億8000万トン相当の二酸化炭素が削減されるとの計算結果が出ているそうです。
これは、道路を走る自動車を約6000万台減らすのと同等の効果なのです。(様々な角度から研究されているのですね。)
スウェーデンの16歳の環境活動家、グレタ・トゥーンベリさんも地球規模の環境問題を訴えていましたが、この声明でも、
〝気候変動による危機は、富裕層のライフスタイルである過剰消費と密接に関連しているため、世界は経済成長と豊かさの追求から目標を変更するべきだ〟
としています。

最近では、11月12日、イタリアで豪雨の後、高潮で水位が187センチにまで到達し、ベネチアのサンマルコ広場は冠水により一時閉鎖されました。「水の都」ベネチアが水没の危機に直面する状況です。
地球温暖化に対して個々が出来ることはいろいろあると思います。冷暖房の設定温度・クールビズ・ウオームビズ・・・・枚挙に暇がありませんが。
菜食も一つ加えてみましょうか。
コラム一覧へ戻る