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足助病院コラム

Asuke Hospital column

2020/01/16 

Vol.72  「ことばに想う(ラグビーWCから PartⅠ)」

執筆 院長 小林真哉

今年はいよいよTOKYO2020オリンピックyearです。
スポーツは様々な感動を与えてくれると共に、試合中の様々な場面を振り返り分析し勉強することが出来ます。
そのような番組が年末年始は目白押しでした。プロが極限の中で成し遂げる、筋書きにないドラマを一流の解説者が紐解く番組は素敵です。奇跡的な場面も、よくよく分析されると偶然ではなく必然なのです。更には、そこに到達するための確率を高めるために、如何なる努力がなされているかが興味深いのです。これらから学ぶことは、日常生活・病院運営にも生かされます。
昨年は、スポーツの中でもラグビーWCが日本を興奮の坩堝にしました。年末から年始にかけて活躍の分析番組・インタビューが数多く見られ、個性豊かな選手の皆さんの出演がとても興味深いものでした。
今回の日本代表は国籍が多彩でしたのでone teamになりスクラムを組む中で、ことばの壁は大きかったようです。その中で、語られたことばからです。
スクラムを組むときの相手方との絶妙の距離感・呼吸すなわち【間合い】が大切です。
この【間合い】の表現は英語で表現すると〝ギャップ〟になるそうですが【間合い】の持つ意味合いとは乖離しています。
また、8人でスクラムを組むわけですがいい【あんばい】で力の方向を集中させたいわけですが、この【あんばい】が英語では〝アジャスト〟になるわけですがしっくりきませんよね。
「うーん、そうじゃなくて、こんなあんばいなの」といいたくなりますよね。
昨年のコラムVol.37 KWAIDANの中にも触れましたが、日本の間戸の文化(窓ではなく)が根底にあるわけです。ですから、日本のラグビー代表は日本文化を深く勉強したそうです。(ミーティングルームには甲冑と日本刀が飾られていましたね。)
そこから、お互いの理解が深まりコミュニケーションが生まれるのでしょう。

そうそう、足助病院にもフィリピンから来てくれている仲間がいます。
隣の巴の里にも多くのフィリピンの方々が介護の現場で頑張ってくれています。足助病院には、今年度からはインドネシアからも来てくれるプロジェクトもあります。
受け入れる私たちも、もっともっと、日本の風土・風度を見つめなおし、共に学び伝えていかなくてはならないなと思わされました。

だって使いますよね、日常的に・・・
『利用者さんとのいい間合いをとったほうがいいよね』
『うんうん、いいあんばいだね』・・・・・・・と
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