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足助病院コラム

Asuke Hospital column

2020/02/03 

Vol.77  「ブレーキと勘違い」

執筆 院長 小林真哉

とある昼下がりの近所の本屋さんの駐車場での出来事です。
本屋さんから出てきた品のよさそうな高齢のご婦人と大学生ぐらいの孫娘のペアが仲良さそうにお話ししながら出てきました。
孫娘はご婦人の足元を気にしています。いい光景だなと何気なく見ていると、自分たちの車のわきで、孫娘がおばあちゃんに何か言っています。耳を傾けてみますと。

孫娘:『私が押して動かしてみるからおばあちゃんはブレーキかけてね』
おばあちゃま:『あらら、はいはい、ブレーキね』

どうやらおばあちゃんが前向き駐車した際にフロントバンパーが車止めを越えて下のゴムの部分がめり込んだようです。
可愛い孫娘が押すと車はするすると車止めから離れました。
僕の出番はなかったかと思っていると、車がまた元に戻って車止めにめり込むではありませんか(どうやら若干の傾斜があるのに加えておばあちゃん、孫娘の指示に従わなかったのでしょうか。)こんなやり取りが3回ほど繰り返されました。
孫娘の視線も自然と車内の僕のほうに。おっ 出番ですかとばかりに僕も車外に出て助っ人に名乗りをあげました。

僕:『押すのを手伝いますよ。合図したら、真ん中のブレーキをしっかり踏んでください』(内心、アクセル踏まれたらヤバイぞと心配しながら指示を出しました。)
おばあちゃま:『はいはい、真ん中のブレーキですわね』

孫娘と一緒にエイやと車を押して50㎝ほどバックさせて

僕:『はい、ブレーキ踏んで』と大きな声、身振りで指示出しました。
しかしながら、手を離すと元通りに戻ってきます。 ???どうゆうこと???
僕:『もう一度やりますので、今度は一番左のサイドブレーキを踏んでください。』
やっと車はいい位置で止まりました。
孫娘・おばあちゃま:『どうもありがとうございました、助かりました』

さて帰ろうかとその車を見ると、スルスルスルとまた車止めにはまったではありませんか。
これはもはやコントの世界だわと思いながら、ここまで来たら乗り掛かった舟だ、最後まで見届けるかと思い再救助へ出動しました。

僕:『おかしいね。車が壊れたのかな?ブレーキが利かないなんてありえないよね。ちょっと運転席見せてくれます?』
おばあちゃま:『ええ、おかしいわね。どうぞお願いします』

おばあちゃまの車の運転席に座った瞬間、なんか違和感が・・・なんとエンジンがかかっていないではありませんか。(そりゃ、ブレーキも効かないだろうし動かんわな)

僕:『あのー エンジンかけてもいいですか。かかってないので』と(満面の笑顔で)
おばあちゃま:『どうぞ、どうぞ、ボタン押すだけですから』と(こちらも満面の笑顔)

その後は、ご想像通り何事もなかったかのように仲良しおばあちゃん・孫娘のペアは感謝して帰っていきました。
(孫娘はマジか、はずかしーいといった感じの表情でしたが・・・)
と、なんともほほえましくも、微妙に怖い休日の一コマでした。 

※皆様、当院駐車場での車に関しては十分ご注意くださいな。 御後が宜しいようで
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