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足助病院コラム

Asuke Hospital column

2020/04/23 

Vol.99  「蝗害(こうがい)」

執筆 院長 小林真哉

〝こうがい〟 公害は、学生時代にいろいろ勉強する機会がありましたが、今日の〝こうがい〟は、漢字が違います。
虫:サバクトビバッタによる被害の記事からです。

「ん? バッタの被害? 虫でしょう・・・」なんて訳にいかない話なのです。
サバクトビバッタは名前の由来通り乾燥地帯に暮らし何らかの要因で集団発生し行動すると、1日に100〜200キロも移動しながら、行く先々で穀物や果物を食い荒らし甚大な被害を与える厄介な虫なのです。
1平方キロメートルに集まるサイズの比較的小さな群で、1日あたりで人間3万5000人とほぼ同じ量を食べるらしいです。幸い現時点では、日本にはいないようです。
現在、アフリカ東部を、数えきれないバッタが大都市ほどの大きさの群れをなして移動し、その通り道の農作物を食べ尽くしています。
バッタの数は6月には50倍になると予測されていて問題はこれからもっと深刻になるようで蝗害(こうがい)によって、農地の農作物も貯蔵してある農作物も食い尽くされ、アフリカ東部の農民たちは食糧不足に直面している。

原因は諸説あるようですが、気候変動が有力な原因のようです。
インド洋の海面温度の上昇による大量の雨やサイクロンの襲来が大発生を招き、本来は群れを作らないサバクトビバッタが気象条件によって密集した状態で育ち、変異が起きて群れを作り行動するようになり植物を食べつくすようになるそうです。
また、異常気象が原因の地球規模の災害です。
殺虫剤散布も高速で移動するバッタにあまり有効ではないようです。

自然災害・ウイルス・虫と人類が対峙しなくてはならない課題の多いことに考えさせられ、何かできないかと日々、思いを巡らしています。
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