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足助病院コラム

Asuke Hospital column

2025/04/03 

Vol.565 「小医・中医・大医」

執筆 院長 小林真哉

2025年4月1日から、私の院長職は7年目に入りました。
コラムも565号となります。
私自身は還暦まで2年です、院長職はまだ先があります。
今以上に、「しかない」(参照:コラムVol.8 ~もではなく~しか)と想い、職員と共に精進してして参りますので、叱咤激励よろしくお願いいたします。

先日、某大学の講義をはやりの遠隔講義で行いました。
私自身は、足助病院の院長室にいて無人のパソコンに向かい講義をして、その先には3人の司会および講師の医師と、110人の医学部生が各々の端末(パソコンやスマートフォン)で聴講していました。
私は、当地域で展開している医療の実態・今後の展望につき講義いたしました。
他の演者の先生の講義のなかで、とても興味深い引用フレーズがありましたのでご紹介いたします。

それは、中国の有名な諺 “小医は病を癒し、中医は人を癒し、大医は国を癒す”です。
引用の源は、中国の六朝時代の陳延之の 著書「小品方」 で記述されている「上医医国、中医医民、下医医病」 で様々な解釈があるとされている提言です。
ここでの、大・中・小は能力や立場について批判的な視点で表現しているのではありません。
むしろ、その時々の状況で、柔軟に開かれた視野・心構えで医療に取り組むべしということだと理解しています。

私なりの解釈は、医療現場では病気だけを診る(小医)だけではなく、家庭環境、仕事の環境などの社会的な背景を念頭においた対応(中医)をすることが大切なのだ。
その先に、その病気を生じてしまった要因を社会から見つけるような対応(大医)が大切なのだというものです。
故・中村哲医師(アフガニスタンで人道支援活動を続けるNGO「ペシャワール会」の現地代表)の活動などは、正にこの境地なのだと思います。

足助病院は、医療・福祉・介護をシームレスに繋ぐ想う医療サービスの提供を挙げ運営していますので方向性は同じだと確信しています。
しかしながら様々な要因で、理想は実現できないことも多く、地域の方にご迷惑をかけているのも事実だと思います。
今以上に、多職種・異業種連を活発にして、院内外のコミュニケーションを密にして進歩していきたいと心から思います。

故・中村哲先生の言葉に、“皆が泣いたり、困っているのを見れば、誰だって 『どうしたんですか』 って言いたくなるでしょ” があります。
そのような“想い”を持つ人の集合体で足助病院はありたいと切に想います。
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